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病理学特講チャレンジ実践者からのコメントです
  • 第6週 アミロイドーシス 
    病理学特講チャレンジ参加者からのコメント・感想・質問などです
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    ◆Aesc(2025-5-26):
    感想
    心さんがALアミロイドーシスの患者数は3000人強と聞いた時「意外に多いんですね」と反応していましたが,僕は逆に思っていました.授業や問題集の中でよく聞く疾患なので無意識に1万人ぐらいはいるのかなと思っていたことに気づき,実際の患者数の統計に目を向けてみることも大事だと感じました.ATTRwtでは甲状腺,ATTRvでは眼にアミロイドの沈着が見られるのは元のタンパクが本来機能する場所には入り込みやすかったりすることもあるのかな?などと想像しながら読んでいました.
    質問
    ①本症例では生検ではアミロイド沈着が認められませんでしたがこのような場合,追加の生検などは主治医の先生と協議して侵襲性と必要性を天秤にかけて決めていくものなのでしょうか?当時はATTRwtの治療法が無かったと考えられますが今では深掘りで触れられているように治療法が開発されアミロイドの存在を証明する重要性が増しているのではないかと思い質問しました.
    ②ATTR(特にATTRv)ではTTRが正常な構造をとれず機能が落ちると思うのですがアミロイドーシスによる眼,甲状腺機能低下症とTTR機能低下によるこれらの症状はオーバーラップしている可能性があると考えることは可能でしょうか?

    ◆原田(2025-5-27)
    感想:
    臨床実習ではapple greenが色々な教科書の写真のような色合いではなく、顕微鏡下で直接見たほうがきれいな緑だなと思った印象がありました。透析膜である程度β2ミクログロブリンを吸着できるなら、他のアミロイドや前駆蛋白も除去できるといいのになと思いました。
    質問:
    ・p60, 「心電図上の低電位、......、心電図での低電位の所見」とあります。誤植でしょうか。
    ・アミロイドを免疫組織化学染色したり、質量分析まで行って沈着物質を同定するところを見たことがないのですが、臨床的にどのような場面で行われるのでしょうか。
    ・脳アミロイドアンギオパチーはAβの沈着による局所的なアミロイドーシスと理解しておりましたが、例えばAL, AA, ATTRアミロイドーシスによって脳の微小血管が障害されることもあり得るのでしょうか。本症例では脳の解剖がされておりませんが、全身の微小血管にアミロイドの沈着がみられていたため脳でも沈着がみられるのだろうかと疑問に思いました。

    ◆こみ(2025-5-28)
     アミロイドーシスは臓器横断的に症状が出るのでいろいろな臓器の勉強で出てきて捉えづらい疾患だったのでとても勉強になりました。
     難病情報センター全身性アミロイドーシス(https://www.nanbyou.or.jp/entry/207)では「腹壁脂肪吸引生検、皮膚生検、消化管生検、口唇生検等のアミロイド陽性率は低いため、これらの生検部位でアミロイドが検出されない場合は、心筋生検を考慮する。また臨床症候や他の検査所見から本症が強く疑われる場合は、各組織部位からの生検を繰り返し行うことで検出される場合がある。本症のアミロイド沈着はコンゴーレッドの染色性が弱く、偏光でアップルグリーン色の複屈折も弱い場合がある。」とあります。そのため今回の症例でも十二指腸・直腸生検、腹壁脂肪吸引生検でアミロイドの沈着が確認できなかったのだと思いました。ただ生検以外にもATTRwtアミロイドーシスの診断基準の項目があり当てはまっている項目も多く症例の概要、病理診断時の所見に書かれていない情報もあるものの臨床的に老人性アミロイドーシスと診断されたと解釈しました。

    以下質問です。
    心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)p.12図3によると心アミロイドーシスは2次性心筋炎の分類となり2次性心筋症を除外した上で拘束性心筋症と診断できるように思いました。心臓組織が固くなり拡張障害をきたすという病態としての(広義の)拘束性心筋症と診断名としての(狭義の)拘束性心筋症があるということでしょうか。
  • 第5週 肝硬変、肝癌
    病理学特講チャレンジ参加者からのコメント・感想・質問などです
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    ◆Yeri(2025-5-18)
    肝臓は心筋梗塞と繊維化のプロセスが共通していると感じました

    ◆原田(2025-5-19)
    感想:
    第1章で学んだ、病態の成り立ちにおける要因(循環障害、炎症、感染症、免疫障害、代謝障害、腫瘍、先天性疾患・形態異常)のほとんどが登場した章で、総論の中でも重要な内容が多かったように感じます。ヤマが多いとも言えるかと思いました。クロキリは初めて知りました。
    質問:
    ・胸水の貯留に左右がみられます(左胸水 500 mL, 右胸水 100 mL)。肝硬変に伴う低アルブミン血症では膠質浸透圧の低下がみられて胸水はみられるのは納得なのですが、なぜ左右差がみられるのでしょうか。上記以外の機序が関与しているのでしょうか。
    ・アルコール性肝障害/MAFLDでは線維化は中心静脈周囲に強く、ウイルス性肝障害では門脈域を中心に強く見られると一般的な教科書には記載がありますが、その理由まではわかりませんでした。中心静脈周囲は細胞壁が薄いためアルコールによる障害を受けやすいという説明をする人もいましたが、それではウイルス性では違いが生じることに対して説明ができないと感じております。"

    ◆Aesc(2025-5-19)
    感想
    今回の章は読んでて”なるほど!""となることが多く,気づかないうちに読み入ってしまいました.各論のアトラスも見ながら読むことで今まで何となく知っていた肝硬変,肝癌に関する病理組織的なワードに対する具体的なイメージを強くすることができました!
    質問
    ①本症例の患者さんは亡くなられた日にも大量の飲酒をしていたようですが,この飲酒と腫瘍の破綻には関係はあるのでしょうか?
    ただでさえ肝硬変で肝機能が悪い中に大量の代謝すべきアルコールが流入して肝臓に負担がかかり腫瘍内圧の上昇などを引き起こしてしまったのかな??と考えましたが詳細は分かりませんでした.
    ②今回の病理解剖の所見で転移も多発性に見られたとありますが,転移としているのは8cm大の癌と組織所見が似ていたからでしょうか?
    肝癌は多中心性に発症することが多いと習ったことがあるのですが,多中心性なのか転移なのかの判断を実際にはどのようにしているのか興味がわきました.
    ③*各論アトラスの参照ページを読んでの質問になってしまいます.
    肝硬変で原疾患によってやや異なった像を示すとあり調べてみたところB型肝硬変の偽小葉の方がC型肝硬変の偽小葉の大きさより大きなる傾向があるとあったのですが何か理由として考えられているものはあるのでしょうか?"

    ◆たろー(2025-5-20)
    肝臓の病理学的な話題は難しいように感じ、今までの勉強で避けてきた領域なのでこれを機に学びなおします。ショックの病態がまとまっていて知識の整理に役立ちました。

    ◆こみ(2025-5-20)
    伊東細胞はビタミンAを貯蔵することしか知らなかったので、肝臓の線維化に関わるということに驚きました。
    以下質問です。
    ①今回の症例の血便の原因は胆管に穿破していた部分の腫瘍から出血して胆管→Vater乳頭→腸管と経由し血便となったということですか。
    ②初歩的な質問ですが、そもそも腫瘍の破裂とはどのような機序なのでしょうか?外傷など外部から力が加わる、内部の圧力が高く内圧に耐え切れなくなり破裂する、癌表面が崩れやすくそこからの出血(この場合に関しては破裂という瞬間的なイメージと違いますが、、)などのイメージを持っていました。
    今回はhypervascularな腫瘍(肝細胞癌)の破裂→循環血液量減少性ショックという流れだと思ったのですが、破裂しやすい/しにくいとhypervascular/hypovascularの関係はありますか?

    ◆K(2025-5-21)
    ・肝細胞癌由来の出血では消化管出血よりも腹腔内出血が優位になりそうですが、本症例において血便を主訴に来院したのは胆管内に穿破しており経胆道的に出血をきたしているためでしょうか?
    ・肝硬変で汎血球減少を認める点がよく理解できませんでした。肝硬変では門脈圧亢進に伴い脾静脈を介して脾臓への血流量が増加するため、脾腫をきたすのは理解できますが、血流量が増加すると脾機能が亢進するという点のイメージが湧きにくいです。

    ◆ろーだみん(2025-5-24)
    組織像ではアルコール性と非アルコール性の脂肪肝は区別がつかないと本文にありましたが、肝疾患をアルコール性と非アルコール性に分類する臨床的意義について教えて頂きたいです。組織像で違いがないのに、アルコール性と非アルコール性で治療の仕方やその後の生活指導に違いがあるということなのでしょうか?(アルコールもある意味で生活習慣関連とも思いますし、アルコールと糖尿病も関係してくることがあるように思います)
病理学特講チャレンジ参加者からの感想
(第1週〜第4週)
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その他のコメントです
  • 総論を3週間で読み終えた医学部6年生 OTBさんからのメッセージ
    全体の感想(良かった点)
    「臓器別」ではなく「成因・病態別」に病気をとらえる視点を初めて意識できました。
    →臨床の講義ではこのような視点で学ぶように言ってくださる授業はなかったと思います。臨床の先生すら、このようにとらえて常に診療に当たっている方は多くはないと思いますし、少なくとも同級生でそのように捉えて話す学生はいませんでした。「臓器別」と「病態別」の両軸での考え方がスタンダードになればいいなと思いました。丸暗記することが大幅に減ったように感じます。
    3人の医学生のトーク形式が、「リアルに講義を受けながら勉強している」状況に近く、楽しみながら読めました。
    →3人が話している内容が実際の医学生のレベルにそっくりで、親近感を持ちながら読めました。愛さんの知識の豊富さに冷や汗をかいたりすることもあったりしました。3人いることによって、そのうちの誰かが、「読み手の医学生のレベル」に当てはまるのではないかと思います。私の知識レベルは真君と同じだなと感情移入できましたので、なおさら読みやすくなっているのだと感じました。
    病態の説明の際、随所に例え話を用いた解説が入っているため、知識がない医学生でもわかりやすいのだと感じました。
    →自身の知らない領域を学習する際には、自身の知っている領域○○の「これは○○でいうところの××だよ」と言われると、すごく分かりやすいなと感じます。特にp19の心臓と血管のホースと容器の例えがわかりやすく、今までそのような例えを知らなかったことが勿体なかったと感じます。
    書籍の素材がさらさらしていて手に取りやすい
    →医学生の私の個人的な感想ですが、常に持ち運ぶものなので書籍の質感を重視している学生も意外と多いかと思います。その点、非常に素材がさらさらとしていてよかったと思います。

    全体の感想(改善点)
    3人の医学生の区別が難しかったので、より区別しやすい見た目や口調だと読みやすくなるかと感じました。
    →3人の髪の色が似通っていたため、誰が話しているのかが直感的にわかりにくくなる時がありました。医学生ですので髪型の色の制限はありますが、話し方などの特徴がもう少し個性があってもいいのかなと思いました。
    セミナーとアトラスを2冊に分けても良いかと思いました。
    →特に医学生をターゲットにするのなら、アトラスという名前に抵抗感(これは解剖学で分厚いアトラスを見させられている経験からだと思います)がある方が一定数いると思いますし、前半のセミナーだけでも、必ず医学生のためになると思える内容ですので、アトラスとは分離されていてもいいのかなと思います。

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